はじめに
「ED薬」と聞くと、とりあえずEDに効きそうということはわかります。
しかし、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
ED薬:バイアグラ、レビトラ、シアリスと、これらのジェネリックであるシルデナフィル,バルデナフィル、タダラフィルについてご説明します。
ED薬の効果・作用
ED薬の効果は勃起機能の改善です。
当たり前のように思えますが、「勃起機能の改善」が何を指すのかを考えていきましょう。
男性の性行為を詳しくみてみると
性的刺激 → 勃起 → 物理的刺激 → 射精
となります。
このなかでED薬が作用するのは、基本的に勃起の部分のみです。
つまり
「バイアグラを飲むとムラムラする」
「バイアグラを飲むと勃起しぱなっしになる」
というのは間違いです。
では実際にED薬がどのように作用するのかをみてみましょう。
ED薬のメカニズム
ED薬のメカニズムを考えるために、まずは正常な勃起のメカニズムについてみていきましょう。
勃起のメカニズム
そもそも、陰茎(ペニス)への血流が増えることで海綿体が大きくなること=勃起です。
そして陰茎に流れる血流は海綿体平滑筋という筋肉によってコントロールされています。
この筋肉は血管の周りを覆っているため、この筋肉が硬いと陰茎に十分な血液が流れません。
この十分な血液が流れない状態=平常状態です。
そして、この筋肉が緩むと十分な血液が流れる=勃起状態となります。
そして、勃起がおさまるときはPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という成分の作用によって海綿体平滑筋が硬くなり、勃起がおさまります。
少しややこしくなってきましたが、このPDE5は非常に重要なので覚えておきましょう。
ED薬 = PDE5阻害薬
では、ED薬はどのように作用するのでしょうか。
ED薬は全部で3種類あります。
それがバイアグラ、レビトラ、シアリスです。
そしてそのすべてがPDE5阻害薬といわれます。
その名の通りPDE5を阻害する効果があります。
つまり、ED薬はPDE5を阻害することで勃起を促しているのです。
さきほどの勃起の流れをみると分かるように、PDE5が働くのは勃起した「後」です。
このことから、ED薬は勃起が解消されるのを防ぐことで勃起を促すといえます。
そのため、よりED薬の作用を正確に言うと「性的刺激があった際に勃起を促す」となります。
ここまでみてみると
「バイアグラを飲むとムラムラする」「バイアグラを飲むと勃起しぱなっしになる」ということが間違いということがわかりますね。
そして、ED薬が効くメカニズムはすべて同じですが、それぞれの特徴として、効果の持続時間や効果の強さが違います。
まとめ
- ED薬の効果は「性的刺激があった際に勃起を促す」ことです。
【参考文献】
画像引用:URO-LO 2018 vol.23 No.04 99-115