ゴールドクリニック のロゴ

バイアグラの使用で心配なこと

バイアグラの妊娠への影響

はじめに

ED治療薬を希望される方は大きく二通りに分けられます。
一つは性的な快楽のため、もう一つは不妊治療として、です。

バイアグラの精液への影響をより気にされるのは不妊治療として使用される場合でしょう。
結論として、バイアグラを飲むと妊娠良い影響があるかもしれません
また、バイアグラで先天異常などの遺伝子異常は認められません。

また、ここでは「バイアグラ」としてご説明していますが、バイアグラ以外のED治療薬(レビトラやシアリス)でも同様です。


バイアグラの作用

まず、そもそものバイアグラの作用を確認しておきましょう。
バイアグラの作用は「勃起機能の改善」です。
つまり、バイアグラが主に作用するのは陰茎=ペニスです。

男性器は主に陰茎と陰嚢に分けられます。わかりやすくいうと、ペニスとキンタマです。
そのうえで、精液をつくるのはキンタマです。
そのため、バイアグラは精液にそれほど影響するわけではありません

ただし、これまでバイアグラを飲んだ場合に多少なりとも精液に影響があるという研究結果があります。


バイアグラの精液への影響

結論として、バイアグラの使用で精液は

  • 精液量や精子の濃度は変わらない
  • 精子の運動能はやや改善する

つまり

  • バイアグラを飲んで妊娠の可能性はやや改善する可能性がある
  • バイアグラを飲んで奇形(遺伝子の異常)が増えるということはない

というのが現状の医学的な答えです。
ただし、これらは短期的な使用を調べた結果であり、長期間、高濃度での使用は精子の運動能などを妨げる可能性があることもマウスでの研究では指摘されています。しかし、人がバイアグラを使用して精子に悪影響があったという確たる医学的根拠はありません。

そのため、不妊に対してバイアグラを使用するというのは問題ないでしょう。

なぜバイアグラが精液に作用するかは細かい話になってしまいます。
そのため、ここからは興味がある方だけお読みください。

バイアグラなどのED治療薬は正確にはPDE5阻害薬といって、PDE5という酵素に影響します。
そして、PDE5は陰茎に主に分布しますが、陰嚢内の精巣などにも存在します。
そのため、PDE5iであるED治療薬は精液にも作用します。


まとめ

  • バイアグラを飲んで妊娠の可能性はやや改善する可能性がある
  • バイアグラを飲んで奇形(遺伝子の異常)が増えるということはない

というのが、今のところの医学的な結論です。

ただし、不妊治療で悩んでいる方でどうしても先天異常(奇形)が心配という方は、バイアグラの使用を控えた方がいいでしょう。
というのも、先天異常というのは一定の確率でどんな人にでも起こり得ます。
その際に、先天異常が自然に起きたものだとしても、バイアグラを飲んでいた場合には「自分がバイアグラを飲んでいたからかもしれない」という思いが頭をよぎるでしょう。
医学的には問題なかったとしても、そのような思いを抱いてしまう可能性を考えると、どうしても心配という方は控えた方が無難だと思います。

正しい知識を身につけて上手に医療と付き合っていきましょうね。


【参考文献】
Urology. 2017 Jul;105:54-61.
日本薬理学雑誌 147(1): 35-39, 2016.
産科と婦人科 80(11): 1485-1491, 2013.